成年後見が必要な場合の不動産売買

2017年03月25日

相続

認知症と診断された後の相続や資産売却について

弊社にご依頼をいただきましたお客様で下記の様な案件がございます。

 

土地:お母様・娘さんの共有名義

建物:娘さんの名義

 

お母様が認知症と診断され生活保護を受給し高齢者住宅へご入居されるとのことで、行政と相談した結果、資産(所有不動産)がある場合は基本的には生活保護は受給できないが、病気が理由の為保護受給は開始し、所有の不動産を売却後、売買代金から受給済の生活保護費を返納する形で良いと言われたとのことでした。

 

弊社には知人を介してご相談をいただきましたのでご説明をさせていただき、今後の流れを打合せいたしました。

 

ということで今回は成年後見制度について説明をしていきます。

成年後見の申請を行う

残念ながら認知症と診断された後に生前贈与や相続を行うことはできません。

 

ご本人に財産の処分等を行うにあたり正確な判断ができる状況に無いためです。

 

不動産を売る際には、司法書士が売主さんの本人確認や意思確認をしますが、認知症のため意思確認ができないと司法書士は売買の登記を受託できません。

 

その場合に必要になるのが「成年後見の申立を家庭裁判所にすること」が必要となります。

 

成年後見の申立を家庭裁判所にすることになりますが、まず、医師の診断書を取ることから始めます。

 

医師により「判断能力判定についての意見」が「自己の財産を管理・処分することができない。(後見相当)」となっている場合に申立を行うことが可能となります。

 

後見や保佐の申立をする管轄裁判所は、ご本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。

後見開始には時間がかかります。

では申立をしてすぐに後見開始となり、不動産を売却できるかというとそうではありません。

 

後見の申立をしてから、実際に後見人が選任されるまでは数ヶ月の日数がかかってしまいます。

 

また、後見人には親族を候補者にすることもできますが、裁判所はいろいろな事情を考慮して、専門職(司法書士や弁護士)を後見人に選ぶこともあります。

 

高額な資産の売却などではどうしても個々の利益を考え不正な取引が行われたりする可能性があるために上記の士業の方を選定するとのことでした。

後見開始後の流れ

親族もしくは専門職のどちらかで家庭裁判所によって後見人が選任されたら、後見人は居住用不動産の処分許可を家庭裁判所に申請します。

 

ご本人(成年被後見人)が自ら居住用として使用していたり、過去に使用していた不動産を売却する場合には家庭裁判所の許可が必要です。

 

さらにこの許可を得るには、不動産を売却する下記のような合理的な理由がないといけません。

 

売却代金を高齢者施設の入所費用に充てる、その後のご本人の生活費として充てる、などなど、本人のために必要なことでないといけません。

 

相続税対策や資産運用のためだと裁判所は認めてくれないと思われます。(このあたりは非常にシビアです)

 

上記の不動産の処分について家庭裁判所から許可が得られた後に後見人がご本人(成年被後見人)に代わって不動産の売却をします。

 

成年後見の申立から早くて1~2ヶ月、その後に正式に不動産の売却行為(販売活動)などを進めるため実際に売却が可能なのはおおよそ4~5ヶ月後位でしょうか?

 

そのくらいのスケジュール感で考えなくてはなりません。

相続対策や資産売却、生前贈与などは早めに計画をしておくのが得策です。

高齢でなくても突然の事故や発病で判断能力を失われてしまうという可能性もあります。

 

成年後見を受けても預貯金がふんだんにある場合は家庭裁判所が不動産の処分を許可しない場合もあります。

 

そうなった場合誰も住まなくなった自宅をなかなか売却できないため税金やその他諸経費がかかる場合もあります。

 

また専門職が後見人になった場合は恒常的に費用も必要となります。

 

不動産の場合は事前に「家族信託」を行なっておくことで成年後見人にならずとも不動産の処分ができるといった方法もあります。

 

資産と言っても不動産、現金、証券、為替、事業などなど様々な物がありますので不安な方は各種専門職や行政に早めに相談をしておくのが宜しいかと思います。

 

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